見えないコストがあなたの利回りを削る?修繕積立金と管理組合のリアル2025.08.20
表面利回りが高くても、実際のキャッシュフローが厳しい…。 その背景には「修繕積立金の増額」と「管理組合の運営不全」が潜んでいます。 この記事では、見えない将来コストの正体と、管理状況によるリスクをわかりやすく解説し、物件の保有判断に役立つ視点を提供します。 区分マンションを保有している投資家や、これから不動産投資を検討している方はぜひ参考にしてください。
修繕積立金は将来的に増える可能性が高い
マンションを長期的に維持・運営していくためには、外壁や屋上の防水、配管、エレベーターなどの共用部分に対する大規模修繕が不可欠です。 このような修繕に備えて、管理組合はあらかじめ「修繕積立金」を徴収しています。 しかし、購入時に把握しやすい家賃や管理費とは異なり、この修繕積立金の将来的な増額リスクは見落とされがちです。 収支に与える影響も大きいため、仕組みと注意点を押さえておきましょう。
初期は安く設定されることが多い
多くの新築分譲マンションでは、購入当初の修繕積立金が低めに設定されています。 これは販売促進の一環で、初期のランニングコストを安く見せることで、購買意欲を高める意図があるとされています。 しかし、建物は経年とともに劣化していくため、修繕にかかるコストは右肩上がりに増えていくのが一般的です。 こうした前提のもと、国土交通省が策定した「長期修繕計画ガイドライン」でも、修繕積立金は段階的に増額していく方式(段階増額方式)が推奨されています。 購入後10~15年を目安に、積立金が2倍以上に引き上げられることも珍しくなく、表面利回りには表れない将来負担として捉える必要があります。
不足時は一時金や借入が発生することも
本来は長期修繕計画に沿って積立金が増額されていくはずですが、住民の合意形成が難航して増額できないケースや、滞納者が多いケースでは積立が計画通りに進まないことがあります。 その結果、資金が足りずに大規模修繕ができなくなり、一時金として住民に数十万円単位の追加徴収が発生したり、管理組合が金融機関から借入を行うこともあります。 これらは、住民にとって突発的な支出リスクであり、また借入残高を抱える物件は売却時にマイナス評価となる要因にもなり得ます。 将来的な修繕積立金の推移は、表面利回りでは読み取れない“隠れコスト”であり、長期的な収支計画や資産価値に直結する重要項目です。 保有・購入の判断材料として、必ず確認しておきたいポイントです。

管理組合の機能不全が資産価値に影響する
どんなに立地や利回りが良くても、管理が行き届いていなければ物件価値は下がっていきます。 特に自主管理のマンションでは、管理組合の体制が不安定になりやすく、トラブルが表面化しにくい傾向があります。 見落としがちな管理組合の実態にも注目してみましょう。
購入前に管理組合の健全度を診断する3ステップ
STEP1 公的な“格付け”を確認する
まず自治体の「マンション管理計画認定制度」や民間の「マンション管理適正評価制度」の★評価を調べましょう。ここで基準を満たさない物件は早めに候補から外せるため、深掘りの手間が大幅に省けます。
STEP2 一次書類で数値と意思決定を読み解く
仲介会社を介して「重要事項調査報告書」と直近3期分の総会議事録を取り寄せ、①修繕積立金残高 ②滞納額 ③長期修繕計画の収支見通し ④増額案の可否決状況をチェック。数値と議事録の内容が矛盾していないかを確認すれば、理事会が実際に機能しているかを見極められます。
STEP3 現場と住民の声で“実感値”を補完する
共用廊下・ゴミ置き場・掲示板などを自分の目で点検し、管理員や近隣住民へのヒアリング、SNS検索でトラブルの有無を探ります。書類上は問題なくても現場が荒れていれば赤信号です。
——この3ステップを踏むだけで、短い内見期間でも管理組合の健全度を高い精度で見抜けます。将来コストと資産価値のブレを最小限に抑えるためにも、購入検討の初期段階で必ず実践しておきましょう。
総会が開かれない/議事録が残っていない
管理組合は通常、年に1回以上の総会を開催し、予算・修繕計画・管理会社との契約内容などを協議します。 しかし、自主管理の物件では、総会が開催されていなかったり、議事録が保管されていないケースも少なくありません。 理事長や役員のなり手不足が続くと、会議そのものが開かれず、建物の維持方針が曖昧になります。 総会の開催記録がないと、重要な合意事項の経緯や意思決定の透明性が不明となり、外部からの信頼性も低下します。
滞納者の多さが修繕計画に影響する
管理費や修繕積立金の滞納が続くと、予算不足で予定していた修繕が実施できなくなることがあります。 とくに役員の対応が遅れやすい自主管理物件では、滞納者への督促や法的措置が後回しにされがちです。 滞納率が高まれば、管理組合の財政がひっ迫し、建物の劣化が進行するリスクも無視できません。
トラブル放置で空室や価値下落の懸念
管理が不十分な物件では、騒音・ゴミ出し・漏水などのトラブルが放置されることもあります。 住民からの苦情に迅速に対応できない状況が続くと、快適性が損なわれ、退去者が増加。空室率の上昇や家賃の下落にもつながります。 また、購入検討者から見ても「管理状態が悪い物件」という印象はマイナスに働き、売却時の価格交渉で不利になるケースもあります。
まとめ
修繕積立金と管理体制は、物件の将来に大きく関わります。 目に見える利回りだけでは判断できない「隠れコスト」が、将来のキャッシュフローを圧迫する可能性があります。 物件を保有し続けるか、売却を検討するか迷っている場合は、管理組合の議事録や滞納状況、今後の修繕計画を確認し、「見えないコスト」を可視化しておくことが資産を守るうえで重要になるでしょう。
不安がある場合は、不動産の専門家に相談しながら、堅実な判断を積み重ねていくことを勧めます。OWNER’S WINでは「プロに相談する」から、不動産のプロフェッショナルに無料相談できる窓口があるので、不安がある場合はぜひ活用してみてください!
最近の投稿もチェック!!
- 2025年総集編SP動画!!
- 5.「成功する立地選定術|将来性・利便性”の見抜き方」
- 4.「高利回りなのに赤字!? |見せかけの表面利回りの正体と回避策」
- 3.「金利上昇時の融資攻略|厳しい今どう動く?」
- 2.「節税に溺れるな!減価償却の落とし穴と出口戦略」
まだ会員登録されていない方は「会員登録する」のボタンからご登録ください!登録するこで最新投稿などの会員限定情報をチェックすることができます!
一覧へ戻る