減価償却が終わったらどうする?築22年超で考えるべき3つの選択肢と出口戦略2025.12.10
「減価償却が終わったら、どうすればいいのか分からない」
そんな悩みを抱える賃貸オーナーは少なくありません。
木造アパートや戸建てなどの法定耐用年数は22年とされ、経過後は帳簿上の節税メリットが薄れていきます。そのまま保有を続けると、想定以上に税負担が重くなり、手残りが減少するケースもあります。
本記事では、減価償却が終了したタイミングで考えるべき3つの選択肢と、それぞれのメリット・デメリット、判断基準について解説します。
築年数が経過した物件の今後に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
減価償却が終わるとどうなる?築22年以降の注意点
減価償却とは、建物の取得費用を一定期間にわたって経費として計上できる制度です。
木造アパートや戸建て住宅の場合、その法定耐用年数は22年と定められています。
これを過ぎると、減価償却費を経費として計上できなくなり、帳簿上の利益が増えることで税負担が重くなります。見かけ上の収支は変わらなくても、納税額が増えて手残りが減る「目に見えない実質負担」の増加が生じるのです。
加えて、築22年以降は建物や設備の老朽化も進み、今後の修繕費や空室リスクの上昇が現実味を帯びてきます。立地や管理状況によって差はありますが、入居者ニーズに対応するための改修が必要になるタイミングでもあります。
さらに、売却を考えたときも、築年数の経過により市場価値は下落しやすく、出口戦略の選択肢が徐々に狭まっていく点にも注意が必要です。
このように、築22年前後は「節税メリットの消失」「修繕コストの増加」「資産価値の下落」という3つの負担が重なる節目の時期です。
だからこそ、何もせずに所有を続けるのではなく、今後の運用方針を見直す分岐点として捉えることが重要です。
減価償却が終わるタイミングで取るべき3つの選択肢
減価償却が終わる築22年前後は、税務上の節税効果が薄れるだけでなく、建物の老朽化や資産価値の低下など、経営におけるさまざまな転機を迎えるタイミングです。
ここでは、減価償却が終わるタイミングで取るべき3つの選択肢を紹介します。

持ち続けてインカム重視で運用する
築年数が進んでも、立地や賃貸需要に恵まれていれば、引き続き家賃収入を得ながら運用を続けることは可能です。
たとえ減価償却が終了しても、修繕費や管理費などの実費は経費として計上できるため、一定の節税効果は残ります。借入がすでに完済している、または残債が少ない場合は、毎月のキャッシュフローも安定しやすく、比較的リスクを抑えた運用が期待できるでしょう。
一方で、減価償却が終わると帳簿上の経費が減るため、課税所得が増加し、これまでよりも税負担が重くなる点には注意が必要です。
さらに、築古物件は家賃の下落リスクや修繕頻度の増加、入居者対応の煩雑さといった課題も避けられません。
この選択肢は、空室率が低く、立地に強みのある物件を長期的に安定運用したいオーナーに向いているでしょう。
売却して次の物件に組み替える
減価償却が終了した物件を売却し、築浅物件やRC造など別の資産へ組み替えることで、再び減価償却による節税をスタートできます。
うまく市況とタイミングが合えば、想定以上の価格で売却でき、売却益を新たな投資資金に充てることも可能です。資産全体の入れ替えによって、長期的な運用効率を高める戦略といえるでしょう。
一方で、売却によって譲渡所得税が発生する点には注意しましょう。
特に購入価格が低かった場合、売却益が大きくなり課税額も膨らみます。なお、一定の条件を満たせば「買い替え特例」の適用も可能です。
今後の修繕や空室リスクが高まる物件や、運営に不安を感じているオーナーにとっては、思い切った選択肢として検討の価値があります。
建て替えや大規模リフォームを行う
老朽化が進んだ物件でも、建て替えやフルリノベーションを行えば、新たに減価償却が可能となります。
間取りや設備を一新することで賃料アップを図れたり、入居率の向上にもつながるため、立地次第では収益力を大きく引き上げられます。
ただし、建築費や改修費用は多額になりやすく、資金計画には慎重な検討が必要です。
自己資金でまかなえない場合は、新たなローンを組むケースも出てくるため、返済計画や年齢要件などの条件も加味しなければなりません。
この選択肢は、長期保有を前提にしている場合や、高収益化できる立地にある物件、あるいは築古で家賃下落が著しい物件に向いています。
減価償却終了前後に考えたい3つのポイント
減価償却が終わったからといって、すぐに何かを決断する必要はありません。
ただし、「持ち続ける」「売却する」「建て替える」といった選択肢を検討するうえで、事前に把握しておくべき判断軸は存在します。
ここでは、後悔のない意思決定につなげるために、特に重要な3つのポイントをご紹介します。
今後の運用を数字でシミュレーションする
まず必要なのは、数字に基づいたシミュレーションです。
今後発生する修繕費や管理コスト、家賃下落率、減価償却終了による税負担の増加などを具体的に可視化することで、現実的な収支予測が立てやすくなります。
単年度の収支だけでなく、今後10~15年の中長期スパンでの収益計画を立てることが重要です。
また、「保有し続けた場合」と「売却して資産を組み替えた場合」の利回りやキャピタルゲインを比較することで、自分にとって最も効果的な選択肢が見えてきます。
主観的な「何となく損しそう」「まだ高く売れそう」といった印象ではなく、具体的な数字に落とし込むことで判断の精度は格段に上がります。
迷ったときは専門家の意見を取り入れる
築20年以上経過した物件の扱いは、節税・資産保全・相続といった複数の要素が絡むため、個人だけで判断するのは難しい局面もあります。
そういったときは、税理士や不動産業者、ファイナンシャルプランナーなど、第三者の専門的な視点を取り入れるのが有効です。自分一人で判断しようとすると、どうしても感情や思い入れに引きずられ、冷静な決断ができなくなるリスクがあります。
専門家の助言を受けることで、自分では見落としがちな税務対策や、他の選択肢の可能性に気づくこともあります。
複数の視点を取り入れることで、より納得感のある判断がしやすくなるはずです。
将来の出口戦略を先に決めておく
物件をどう扱うかを考える際には、「何のためにその不動産を保有しているのか」という目的を明確にすることが大前提です。
たとえば、売却益を得たいのか、長期的に家賃収入を得たいのか、あるいは将来の相続を見据えているのかによって、取るべき行動やタイミングは大きく異なります。
目的が定まらないまま行動を始めてしまうと、「本当は売却予定だったのに、高額なリフォームをしてしまった」「相続予定だったのに、収益が見合わず途中で手放すことになった」など、逆効果の投資を招く恐れがあります。
まずは将来のゴールを定め、そのゴールに沿った道筋を設計することが、不動産経営において重要です。
まとめ
築22年を迎えて減価償却が終了すると、これまで享受していた節税メリットがなくなり、実質的な手残りが減少していきます。
同時に、建物の老朽化や空室リスクの増加といった経営課題も顕在化するため、「何もしない」ことが大きな損失につながる可能性もあります。
そのため、このタイミングでは「持ち続ける」「売却する」「建て替える」といった3つの選択肢を検討し、自身の目的に合った判断を下すことが重要です。
感覚ではなく数字で将来をシミュレーションし、必要に応じて専門家の意見も取り入れながら、納得のいく出口戦略を描いていきましょう。
決断の先送りは、資産価値や収益性の低下を加速させてしまいます。築年数とともに選択肢が狭まる前に、早めの行動をおすすめします。

不安がある場合は、不動産の専門家に相談しながら、堅実に判断を積み重ねていくことを勧めます。OWNER’S WINでは「プロに相談する」から、不動産のプロフェッショナルに無料相談できる窓口があるので、不安がある場合はぜひ活用してみてください!
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