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不動産投資が相続税対策に向いている理由とは?評価の仕組みと注意点を解説2026.02.04

相続税対策として不動産投資が有効だと聞いたことはあっても、「なぜ節税につながるのか」「本当にリスクはないのか」と疑問に感じている方は少なくありません。

相続税は資産の実勢価格ではなく、税務上の評価額を基準に計算されるため、資産の持ち方によって税負担に大きな差が生じます。

不動産はこの評価の仕組みによって、現金や預金と比べて相続税評価額を抑えやすい特徴があります。

一方で、節税効果だけに注目して不動産投資を行うと、相続後の運用や管理、家族間のトラブルにつながるケースもありますので正しく理解することが重要です。

この記事では、不動産投資が相続税対策に向いている理由を評価の仕組みから整理しつつ、どのような不動産が適しているのか、注意すべきポイントは何かを分かりやすく解説します。

相続を見据えた資産設計を考えるうえで、判断の軸を持つための参考にしてください。

不動産投資で相続税評価額が下がる仕組み

不動産投資が相続税対策として有効とされる背景には、相続税の計算に用いられる「評価額」の考え方があります。

相続税は市場で売れる価格を基準にするわけではなく、税務上のルールに基づいて評価されるため、資産の種類によって評価額に大きな差が生じるケースがあります。

ここでは、不動産の評価額が下がりやすい仕組みを、土地・建物・賃貸中物件の視点からみていきましょう。

相続税は「実勢価格」ではなく「評価額」で決まる

相続税の計算基準となるのは、実際に売却できる価格(実勢価格)ではありません。

相続税は、国税庁が定める評価方法に基づいた「相続税評価額」を用いて課税額が算出されます。
そのため、資産の種類によっては、実際の市場価値よりも低い金額で評価されるケースがあります。

現金や預金は、原則として額面そのままが評価額となります。1,000万円の預金があれば、相続税評価額も1,000万円です。

一方で不動産は、土地や建物ごとに評価方法が異なり、実勢価格とは別の基準で評価されます。

この違いが、不動産の相続税評価額が下がりやすい理由です。

土地は「路線価ベース」で評価される

土地の相続税評価は、主に路線価方式または倍率方式によって行われます。

市街地の多くでは路線価方式が用いられ、道路ごとに定められた1㎡あたりの価格をもとに評価額が算出されます。

路線価は、一般的に実勢価格のおおむね8割程度を目安に設定されているといわれています。

そのため、同じ価値の資産であっても、現金で保有している場合と比べて、土地として保有している方が相続税評価額は低くなりやすい傾向があるといえるでしょう。

さらに、土地の形状や接道状況、間口の狭さなどによっては、補正が入り評価額が下がるケースもあります。

こうした点も、土地を活用した相続税対策が検討される理由の一つです。

参照:国税庁|財産を相続したとき

建物は取得価格より低く評価される

建物の相続税評価額は、固定資産税評価額を基準に算定されます。

固定資産税評価額は、建築費や取得価格そのものではなく、一定の評価基準に基づいて算出されるため、取得価格よりも低くなるのが一般的です。

新築・中古を問わず、建物は時間の経過とともに価値が減少すると考えられ、評価額にも減価の考え方が反映されます。

そのため、購入時の価格と比べて、相続税評価額が抑えられやすい特徴があります。

土地と建物をセットで保有する不動産では、土地は路線価、建物は固定資産税評価額という異なる基準で評価されます。

この組み合わせにより、資産全体の評価額を圧縮しやすくなる点も、不動産が相続税対策に活用される理由です。

賃貸中の不動産はさらに評価が下がる

不動産を賃貸に出している場合、相続税評価では「貸家」や「貸家建付地」として扱われます。

これは、第三者である借主が利用しているため、所有者が自由に使えない状態であることを考慮した評価方法です。

自分で居住している不動産と比べると、賃貸中の不動産は評価額が低く算定されます。

借主の権利が存在する分、利用や処分に制限があるとみなされるためです。

このように、土地・建物という評価の仕組みに加え、賃貸による評価減が重なることで、相続税評価額をさらに抑えられる点が、不動産投資が相続税対策に向いている最大の理由といえます。

さらに、一定の要件を満たせば『小規模宅地等の特例』が適用され、土地の評価額を最大50%減額(200㎡まで)できる点も、大きなメリットです。

相続税対策に向いている不動産の特徴

相続税対策として不動産を活用する場合、どの物件を選ぶかが結果を大きく左右します。

評価額を下げられる仕組みがあっても、物件選びを誤ると、相続後の運用や管理で負担が大きくなることもあるため注意が必要です。

ここでは、相続税対策として取り組みやすい不動産に共通する特徴を整理します。

賃貸需要が安定しているエリアの物件

相続税対策に不動産を活用するうえで、賃貸需要の安定性は重要なポイントです。

空室が長く続く物件は、家賃収入が得られないだけでなく、将来的な評価や売却時にも不利になりやすくなります。

都市部や駅近など、人口や雇用が集まりやすいエリアは、長期的に見ても賃貸需要が落ちにくい傾向があります。

このようなエリアの物件であれば、相続後も賃貸を継続しやすく、運用面での不安を抑えられるでしょう。

評価額を下げることだけを目的にするのではなく、安定した家賃収入を確保できる点も含めて考えることで、相続税対策と実際の収益性を両立しやすくなります。

長期保有を前提にできる物件

相続税対策は、短期間で売買を繰り返す投資とは相性がよくありません。

相続はいつ発生するか予測しにくく、評価の効果を十分に活かすには、長期保有を前提とした計画が必要になります。

そのため、無理のない返済計画や、長期にわたって保有できる資金繰りを想定しておくことが重要です。

建物についても、耐用年数や将来的な修繕費を見据えたうえで、継続的に運用できるかを検討する必要があります。

相続発生時点だけでなく、その後も安定して運用できるかという視点を持つことで、相続税対策としての不動産投資が現実的なものになるでしょう。

相続後も管理・承継しやすい規模・形態

不動産の規模や形態によって、相続後の負担は大きく変わります。

規模が大きすぎる物件や、管理が複雑な不動産は、相続人にとって重荷になるケースも少なくありません。

区分マンション、一棟アパート、戸建て賃貸など、それぞれに特徴があり、管理の手間や承継のしやすさも異なります。

管理会社に委託しやすい物件であれば、相続後の運営をスムーズに引き継ぎやすくなります。

相続人が必ずしも不動産に詳しいとは限らないため、専門知識がなくても対応できるかどうかという視点も重要です。

相続後の実務負担まで考慮した物件選びが、相続税対策を成功させるポイントといえます。

相続税対策として不動産投資を行う際の注意点

不動産投資は相続税対策として有効な手段になり得ますが、やり方を誤るとリスクが大きくなる点には注意が必要です。

評価額が下がる仕組みだけに目を向けてしまうと、相続後の運用や家族間のトラブルにつながるケースもあります。

ここでは、相続税対策として不動産投資を行う際に押さえておきたい注意点を整理します。

節税だけを目的にすると失敗しやすい

相続税評価額を下げることだけを目的に不動産投資を行うと、結果的に失敗につながることがあります。

たとえ評価額が下がっても、家賃収入が少なく、キャッシュフローが悪化してしまえば、保有を続けること自体が難しくなることもあるでしょう。

無理な借入によって物件を取得した場合、金利上昇や空室の影響で資金繰りが厳しくなるリスクも高まります。

相続前後で返済負担に耐えられず、不動産を手放さざるを得なくなるケースも珍しくありません。

相続税対策として不動産を活用する場合は、節税効果だけでなく、長期的に収益を確保できるかどうかを含めて検討することが重要です。

相続後の「管理・分割」で揉めやすい

不動産は、現金や預金と違い、簡単に分割できない資産です。

相続人が複数いる場合、不動産をどのように分けるかで意見が対立しやすく、トラブルに発展することがあります。

また、相続後の管理方針や、将来的に売却するかどうかといった判断でも、相続人間で考えが分かれるケースは少なくありません。

管理に手間がかかる物件ほど、負担の感じ方に差が出やすくなります。

こうした問題を防ぐためには、相続発生前から承継方法や運用方針を整理しておくことが重要です。

不動産の評価や税金だけでなく、家族の合意形成まで含めて考える必要があります。

税制や評価ルールは将来変わる可能性がある

相続税に関する税制や評価ルールは、これまでにも何度も見直されてきました。

現在の評価方法や特例が、将来にわたって同じ形で続くとは限りません。実際に2024年(令和6年)からはマンションの相続税評価方法が見直され、極端な評価圧縮を防ぐ新ルールが導入されました。こうした最新の税制改正を常にチェックしておくことが欠かせません。」

そのため、「今の制度で節税できるから」という理由だけで、不動産投資を進めるのはリスクがあります。

制度改正によって、想定していた効果が得られなくなる可能性も考慮しておく必要があります。

相続税対策として不動産を活用する場合は、制度変更にも対応できる柔軟な資産設計を意識することが大切です。

長期的な視点で無理のない投資計画を立てることが、結果的にリスクを抑えることにつながります。

まとめ

不動産投資が相続税対策に向いている理由は、相続税が実勢価格ではなく評価額を基準に算出される点にあります。

土地は路線価、建物は固定資産税評価額をもとに評価され、さらに賃貸中であれば評価額が下がる仕組みがあるため、現金や預金と比べて相続税評価額を抑えやすくなります。

この評価の仕組みを正しく理解することが、不動産を活用した相続税対策の出発点となるでしょう。

一方で、相続税対策として不動産投資を行う際は、節税効果だけでなく、その後の運用や承継まで見据えることが重要です。

賃貸需要が安定した物件を選び、長期保有を前提とした無理のない計画を立てることで、相続後の負担やトラブルを抑えやすくなります。

評価の仕組みとリスクの両面を踏まえ、相続全体を見据えた判断を行うことが、結果的に安定した相続対策につながるでしょう。

不安がある場合は、不動産の専門家に相談しながら、堅実に判断を積み重ねていくことを勧めます。OWNER’S WINでは「プロに相談する」から、不動産のプロフェッショナルに無料相談できる窓口があるので、不安がある場合はぜひ活用してみてください!


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