サブリース契約の30年一括借上げは安心?後悔しないための契約書チェックリスト2025.11.26
「長期契約なら安心だと思っていたのに、家賃が下げられた」
「解約したくても思うように進まない」
そんなサブリース契約に関する悩みを抱える賃貸オーナーが増えています。
特に「30年一括借上げ」という言葉に安心感を持って契約したものの、実際には予想外の条件変更やトラブルに直面するケースも少なくありません。
本記事では、30年一括借上げの仕組みや契約書に潜む盲点、知っておくべきリスクとその対策を丁寧に解説します。
契約前に確認しておきたいチェックポイントを整理していますので、これから不動産投資を始める方や、すでに契約済みのオーナーの方もぜひ参考にしてください。
30年一括借上げの仕組みと安心感の誤解
「30年間家賃保証」と聞くと、長期的に安定した収入が得られると感じるかもしれません。
しかし実際は、2年ごとなどの定期的な家賃見直し条項が契約に含まれているケースがほとんどです。
つまり、保証額は契約期間中も減額される可能性があるのです。
また、「30年借上げ」といっても、実態は短期契約の更新を繰り返す形式になっている場合も多く、将来的な条件変更や再契約を前提とした内容になっています。
こうした契約は、サブリース会社が空室リスクなどを回避するために設計されたものであり、オーナーにとっての完全保証ではない点に注意が必要です。
契約書の条文を確認せず、「期間」だけで判断するのは危険です。
30年一括借上げの契約書に潜む5つの落とし穴
サブリース契約は、契約書の条文にオーナーに不利な条件が潜んでいることがあります。
ここでは、実務上トラブルが起きやすい5つの項目を整理し、契約前に確認しておきたいポイントを解説します。

免責期間の存在
サブリース契約では、「免責期間」が設けられていることがあります。
この期間中は空室であっても、オーナーに家賃が支払われない点に注意が必要です。
たとえば「契約開始後の1ヶ月間」や「入居者の退去後1ヶ月間」などが免責対象になるケースがあり、収入ゼロの期間が発生する可能性があります。
わずかな期間に見えても、頻繁な入退去や複数戸を持つ物件では、累積での影響が無視できません。
また、「免責期間」という表現が契約書に明示されていなくても、別条文に類似の内容が記載されていることもあります。
文言の位置や表現にかかわらず、契約書全体を細かく確認することが重要です。
家賃減額請求権の条項
契約書に「相場に応じて家賃を見直す」といった文言がある場合、家賃が減額される可能性があります。
特に、契約更新時に「借地借家法第32条に基づく」と明記されていれば、法的にも賃料減額が認められるケースがあり、オーナーが拒否しても効力を持つことがあります。
また、契約内容によっては、サブリース会社がオーナーの同意なく一方的に金額を変更できる場合もあるため、事前の確認が不可欠です。
見た目は長期契約でも、実質的には「家賃変動制」に近い性質を持つことを理解しておく必要があります。
中途解約の制限と違約金
サブリース契約を途中で解約する場合、数ヶ月前の書面通知が必要なうえ、違約金が発生することがあります。
解約タイミングによっては、数十万円~数百万円規模の費用がかかるケースもあり、軽い気持ちで契約すると後悔する可能性があります。
さらに、法的にはオーナーからの中途解約には「正当事由」が必要とされることが多く、「収益が出ない」「他社と契約したい」といった理由だけでは認められません。
オーナー側が不利になりやすい契約構造であることを理解しておきましょう。
原状回復費用の負担区分
入居者の退去時に発生する原状回復費用については、費用負担の範囲や割合が契約書によって異なります。
「オーナーが全額負担」と明記されている場合、長期的には修繕費がかさみ、収益を圧迫するリスクがあります。
さらに、「通常損耗もオーナー負担」となっていれば、クリーニング費や壁紙の張り替えなど軽微な修繕も自己負担になるケースがあるため注意が必要です。
原状回復に関する条項は、運用収支に直接関わるため、契約前に必ず明確に確認しておくべきポイントです。
更新・再契約時の条件変更
30年一括借上げ契約と聞くと、長期間同じ条件が続くと思いがちですが、実際には途中で契約更新や再契約が必要になることが多いです。
その際に、サブリース会社から「家賃を下げないと更新できない」と条件変更を迫られる事例もあります。
一括借上げの「長期契約」は、あくまで建前であり、実態としては、短期契約の積み重ねにすぎないケースも少なくありません。
更新のたびに収支条件が悪化していくケースもあるため、契約年数だけで安心せず、更新条項や改定条件の内容まで読み込むことが大切です。
30年一括借上げにおける実際にあったトラブル事例
サブリース契約では、「聞いていた話と違う」と感じるようなトラブルが、実際に多く発生しています。
ここでは、代表的な3つの事例について、実際の判例や司法判断をもとに紹介します。
家賃減額の一方的通告
「30年間家賃保証」と説明を受けて契約したものの、数年後に突然、家賃の減額通知を受けた。このようなトラブルは実際によく見られます。
サブリース契約でも借地借家法第32条が適用され、周辺相場の下落などを理由に家賃が見直される可能性があるためです。
最高裁の判例(平成16年11月8日判決)でも、建物賃貸借契約に該当するサブリース契約において、家賃の減額請求が認められています。
オーナーが一方的に拒否することは難しく、契約書に記載された見直し条項の内容を契約前にしっかり確認しておくことが不可欠です。
参照: RETIO|サブリース契約で賃料減額請求権が認められた事例
中途解約時の高額な違約金請求
サブリース契約を途中でやめたいと思っても、契約には数ヶ月前通知や高額な違約金条項が設けられていることが多く、実際には自由に解約できない仕組みになっています。
実際に、契約途中の解約に伴って多額の違約金が発生し、貸主側の一方的な都合(収益性の低下など)では解除が認められなかった事例も報告されています。
契約書に記された「中途解約条項」と「違約金額」は事前によく確認すべきポイントです。
管理会社の解約拒否
オーナーが「契約を終了したい」と申し出ても、サブリース契約には借地借家法が適用されるため、正当事由がなければ一方的な解約は認められないのが原則です。
特に「収益が合わない」「売却したい」といった経済的理由だけでは、解除の要件を満たさないケースもあります。
実際に、東京地裁の判例(令和元年11月26日判決)では、オーナーが解約を申し出たものの、サブリース会社側の事業継続の必要性が優先され、正当事由が認められずに明渡し請求が棄却されました。
このように、貸主側からの契約終了には高いハードルがあることを理解し、慎重な判断が求められます。
参照: RETIO|サブリース契約には借地借家法第28条の適用がないと して求めた賃貸人の建物明渡し請求が棄却された事例
管理会社が倒産した場合のリスク
サブリース会社や管理会社が倒産すると、家賃保証が即座にストップし、契約どおりの入金が行われなくなるリスクがあります。
加えて、入居者から預かっていた敷金や礼金が管理会社側で保管されていた場合、資金が返還されないまま消失する可能性もあります。
こうした事態では、入居者が「敷金を返してほしい」とオーナーに直接請求してくることもあります。
契約上はオーナーが貸主となるため、法的責任を問われるリスクも否定できません。あらかじめ管理会社の財務状況を調べるほか、保証会社や信託口座の活用など、倒産時の備えを講じておくことが重要です。
契約前に確認すべき!契約書チェックリスト7項目
「一括借上げ」や「家賃保証」という言葉に安心感を覚えても、実際の契約書にはオーナーにとって不利な条件が含まれていることがあります。
安易にサインする前に、以下の7項目は必ず確認しておきたいチェックポイントです。
| 項目 | チェックすべき内容 |
|---|---|
| 家賃保証の見直し条項 | 期間・見直しの基準・オーナー側の同意が必要かどうか |
| 免責期間 | 契約初期や空室時に家賃が支払われない期間があるか |
| 家賃減額請求条項 | 減額の条件・通知の方法・オーナーが拒否できるか |
| 中途解約条件 | 通知期限・違約金・オーナーから解約できる要件 |
| 原状回復費用の負担区分 | 修繕範囲・費用負担の所在 |
| 更新時の再契約条件 | 家賃や保証の継続性・条件変更の可能性 |
| 倒産時の対応策 | 敷金・保証金の返還ルール、契約切替の手続き方針など |
内容が曖昧な場合は、その場で確認せずに専門家に相談する判断力も重要です。
まとめ
サブリース契約は、うまく機能すれば安定収入をもたらす有益な仕組みです。
しかし、その「安心」は契約内容に大きく左右されます。
特に「30年一括借上げ」といった長期契約は、実際には短期更新や家賃見直し条項が組み込まれており、思わぬトラブルの温床になることも。
「安心できます」という営業トークに流されず、自分の目で契約書を丁寧に読み解くことが、後悔しない第一歩です。
可能であれば、不動産契約に詳しい第三者のチェックを受けたうえで、慎重に判断することをおすすめします。

不安がある場合は、不動産の専門家に相談しながら、堅実な判断を積み重ねていくことを勧めます。OWNER’S WINでは「プロに相談する」から、不動産のプロフェッショナルに無料相談できる窓口があるので、不安がある場合はぜひ活用してみてください!
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