リスクは「分散」より「分離」が効く? ワンルーム投資の守り方を変える新発想2025.10.22
「空室リスクが心配だから、複数の物件を保有している」
「都内の違う沿線上の物件を持つ」
このように、「リスク分散」を意識して不動産投資をしている方も多いのではないでしょうか。 確かに、分散投資は基本的なリスク対策として有効です。 しかし近年では、地価の下落や災害、管理会社のトラブル、金融機関の融資姿勢の変化など、個別の工夫では避けられない「構造的なリスク」も増えています。 こうしたリスクには、分散だけでなく「分離」=リスクの切り離しという発想が重要になってきました。
この記事では、分散と分離の違いを整理したうえで、エリア・金融・管理などの構造的リスクをどう分離するか、さらに運用面でできる実践的な分離対策までわかりやすく解説します。 不確実な時代においても、着実に資産を守るための新発想として、「リスクの分離」という考え方をぜひ取り入れてみてください。
従来の「リスク分散」では守り切れない理由
不動産投資におけるリスク対策として、「分散投資」という考え方は広く知られています。 たとえば「複数の物件を持つ」「築年数の違う物件を組み合わせる」といった工夫は、空室や修繕といった特定のリスクを軽減する手段として確かに有効です。 1棟のみを保有している場合と比べれば、リスクが一箇所に集中しない分、精神的な安心感も得られるでしょう。
しかし、このような「分散」だけでは、近年の不動産市場で増えている構造的なリスクに対応しきれないケースが目立ちます。
たとえば同じ都市圏内で複数の物件を保有していても、地震・洪水・地価下落といった地域全体のリスクには同時に巻き込まれる可能性があります。
また、すべての物件を同じ金融機関で借り入れていると、その銀行の方針変更や金利の上昇が投資全体に影響を及ぼすことになります。 だからこそ、これからの投資には「リスクをばらけさせる」だけでなく、「リスクの元を切り離す」=分離という視点が欠かせないのです。
エリア・金融・管理を分ける4つの「リスク分離」
不動産投資のリスク対策において、より効果的に守りを固めるには、リスクを「分離」しておくことがポイントです。
ここでは、不動産投資における代表的なリスク分離の方法として、「エリア」「金融」「管理」「物件タイプ」の4つを紹介します。
エリアを分けて地域リスクを切り離す
物件を異なる地域に分けて所有することで、地震・台風・洪水といった自然災害や、地域経済の縮小、大学の移転、企業の撤退による賃貸需要の低下といった地域特有のリスクを切り離すことができます。 特定のエリアに集中して物件を持っていると、これらの影響をすべての物件で一斉に受けてしまう恐れがありますが、エリアごとに物件を持っていれば、被害を最小限に抑えることができます。 たとえば、1戸は東京都23区、もう1戸は大阪市内というように、都市ごとに分離しておくことで、エリア単位での経済環境や自然災害の影響を分けて管理することが可能です。
もちろん、都内でも「中央線沿線と東急線沿線」などでターゲット層や家賃水準が異なるため、エリア分けによる収益安定化は一定の効果が期待できますが、リスクを“切り離す”には、都市レベルでの分離がより効果的です。
地震リスク、空室率の上昇トレンド、人口動態などが都市ごとに異なる以上、エリアの切り分けはリスク分離の基本戦略といえるでしょう。
金融機関を分けて融資リスクを分離する
複数の物件をすべて同じ金融機関から借り入れていると、融資姿勢の変更や金利の上昇といった影響を一斉に受けるリスクがあります。
特に近年は、金融機関ごとに不動産投資に対する方針や審査基準が異なるため、融資条件の見直しや返済圧力が投資全体に波及するケースも少なくありません。
金融機関を分けることで、ある銀行で融資が止まっても、別の銀行で調達を続けられる可能性が残されます。
例えば「A銀行は都心物件に強いが、郊外には消極的」「B銀行は地方都市や築古にも柔軟」など、銀行にはそれぞれ得意分野があります。
こうした特徴を活かし、物件ごとに金融機関を分けることで、融資の選択肢を広げつつ、資金調達リスクを分離することが可能になります。 また、万が一の金融機関の経営悪化時にも、被害を抑えられます。
管理会社を分けて運用リスクを独立させる
管理会社を1社にまとめることは一見効率的に思えますが、その会社に依存しすぎるとリスクも高まります。
たとえば、管理品質が悪く空室やクレームが発生しても、他に頼る先がなければ対応が遅れ、長期空室につながる可能性があります。 また、管理会社の倒産や業務停止といった事態が起きた場合、すべての物件の運営に支障が出ることにもなりかねません。 複数の物件を持つ場合は、物件の特性やエリアごとに管理会社を分けておくのが有効です。
たとえば、区分ワンルームマンション専門の管理会社や1棟アパートに強い管理会社など、物件の種類や規模に合わせて使い分けることで、対応品質を最適化できます。
さらに、複数社を使うことで管理品質や対応の比較もしやすくなり、よりよいパートナー選びにもつながります。
物件タイプを変えて市場依存度を減らす
同じワンルームタイプの物件ばかりを所有していると、単身者向け市場が冷え込んだ際に収益が一気に下がるリスクがあります。
そこで、1LDKやファミリー向けなど、異なる間取り・広さの物件を組み合わせておくことで、需要変動の影響を分散させることができます。
たとえば、駅近の築浅ワンルームと、郊外のファミリー向け物件を組み合わせると、それぞれ別のニーズに応えることが可能です。
景気や人口構成の変化により、どちらかの需要が一時的に落ち込んでも、もう一方が安定していれば全体の収支が大きく崩れることはありません。
こうした「物件タイプの分離」は、長期的な保有にも有効なリスク管理手法となります。
不動産の「リスク分離」における重要ポイント
投資物件のエリアや金融機関を分けてリスクを構造的に分離するだけでなく、実際の運用面においても「リスクを切り離す工夫」が求められます。
ここでは、2つのリスク分離のポイントを紹介します。
地域や物件に合った管理会社に委託する
すべての物件を1社の管理会社に一括で任せる方が手間は少ないかもしれませんが、物件の特性や立地に合っていない管理会社を選ぶと、空室リスクやクレーム対応の遅れといった問題が生じやすくなります。
たとえば、ワンルームの運用に強い会社とファミリー物件に強い会社では、入居者対応のノウハウが大きく異なります。 エリア特化型の管理会社であれば、地域の相場や入居者ニーズを熟知しているため、的確な募集や対応が期待できます。 複数の物件を保有するオーナーであれば、管理会社を分けることで「リスク分離」につながります。
一つの管理会社にトラブルが起きたとしても、他の物件の運用には影響しません。 また、管理品質を比較できるというメリットもあり、長期的には管理体制全体のレベルアップにもつながります。
信頼できる管理パートナーを選ぶことは、収益安定のカギを握る重要な要素です。
エリアニーズに合った物件を選定する
物件選定の段階で「人気のあるエリアだから」という理由だけで購入を決めてしまうと、実際の入居ニーズとズレが生じることがあります。
たとえば、駅近エリアでも単身者向けの需要が強い地域に広めの2LDKを持っていても、空室が続く可能性があります。
エリアにはそれぞれのニーズと供給バランスがあり、「中央線沿線×単身者」「地方都市×ファミリー」といったように、明確にターゲットを定めることが重要です。 また、同じエリア内であっても、築年数や間取り、階数によって求められる条件が異なることがあります。
特定のターゲット層に依存しすぎず、複数の需要に対応できる物件構成にすることで、空室リスクを限定的に抑えることができます。
リスクを見越してニーズと合致する物件を選ぶことは、実質的に「需要リスクの分離」を実現する有効な手段といえるでしょう。
まとめ
不動産投資では、これまで「リスクは分散すべき」という考え方が主流でした。 確かに、物件の立地や築年数をばらけさせることで、特定のリスクを和らげる効果はあります。 しかし、地価の下落や融資方針の変更、管理会社の倒産といった構造的なリスクには、分散だけでは対応しきれない場面があることも事実です。
そこで有効なのが、「リスクを切り離す=分離する」という考え方です。
エリア・金融機関・管理会社・物件タイプを分けることで、1つのトラブルが他の資産に波及するのを防ぐことができます。
また、購入後も物件ごとの特性に応じた管理体制や保険加入を行えば、実務面でのリスクも最小限に抑えられるでしょう。 不確実性の高い時代だからこそ、「守り」を強化する戦略として、リスクの“分離”を意識した投資判断が求められます。

不安がある場合は、不動産の専門家に相談しながら、堅実な判断を積み重ねていくことを勧めます。OWNER’S WINでは「プロに相談する」から、不動産のプロフェッショナルに無料相談できる窓口があるので、不安がある場合はぜひ活用してみてください!
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