ワンルーム投資で見落とされがちな「実質利回り」の落とし穴2025.08.06
「高い表面利回り」に惹かれてワンルーム投資を始めたものの、実際には手元にほとんどお金が残らない。このような悩みを抱える投資家は少なくありません。
その背景には、物件選びや収支計画の段階で「表面利回り」だけを基準に判断してしまうという落とし穴があります。想定外の支出が積み重なり、実際の手取りが大きく減ってしまうケースも珍しくありません。
本記事では、「表面利回り」と「実質利回り」の違いをわかりやすく解説するとともに、収益を削る主要なコスト要因、そして具体的なシミュレーションを通じて、ワンルーム投資の収支構造をリアルに読み解きます。
表面利回りと実質利回りの違い
ワンルーム投資を始める際、まず目にするのが「利回り」の数字です。しかし、実際の収益性を判断するには、表面利回りだけでは不十分です。ここでは、2つの利回りの違いと、それぞれが意味するものを整理します。
表面利回りは「理想的な数字」にすぎない
表面利回り(グロス利回り)とは、「年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100」で算出される、収益性の目安です。たとえば1,000万円の物件で年間家賃収入が60万円なら、表面利回りは6%となります。
不動産広告やポータルサイトでよく見かける指標ですが、これは満室想定かつ費用を一切考慮しない「理想値」にすぎません。実際の運用では、管理費や修繕費、広告費などさまざまなコストが発生します。そのため、表面利回りだけで判断すると、実際の手残りとは大きく乖離する可能性があります。
実質利回りは「手取りのリアルな指標」
実質利回り(ネット利回り)は、「年間の家賃収入から運営コストや空室損失を差し引いた金額 ÷(物件価格+購入諸費用)× 100」で算出されます。
つまり、管理費や修繕費などの経費、さらに空室による収入減を差し引いたあとの純粋な運営利益を意味します。実質利回りにはローン返済や減価償却などは含まれませんが、物件本来の収益性を測るために重要な指標です。
「表面利回りが高いから」と安易に購入すると、想定外の支出で手取りが大幅に減るリスクもあるため注意しましょう。投資判断においては、表面利回りではなく実質利回りを用いた収支シミュレーションを行うことが成功の鍵となります。

実質利回りの計算に必要な7つのコスト
実質利回りを正しく算出するには、物件運営にかかる各種コストを適切に見積もる必要があります。以下に、実質利回りを計算するうえで押さえておきたい代表的な7つの支出項目を整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 空室損失 | 入退去時の空室期間による家賃収入の減少 |
| 管理費・修繕積立金 | 月々の管理費や将来の大規模修繕に備える積立金 |
| 募集関連費用(広告料など) | 入居者募集時・契約時に発生する費用 |
| 修繕・リフォーム費用 | 設備の故障や退去後の原状回復費 |
| 固定資産税・都市計画税 | 毎年かかる税金。評価額やエリアにより異なる。 |
| 建物保険料 | 火災・地震保険などの保険 |
| メンテナンス・管理委託料 | 共用部の清掃、設備点検、管理会社への委託費などの日常運営コスト |
例えば表面利回り7%の物件でも、立地が悪く空室率が高いと年間20万円以上の空室損失が発生し、実質利回りは2%台になることもあります。物件の収益性を正しく把握するには、購入前の段階でこれらの費用をシミュレーションに組み込むことが重要です。
表面利回りと実質利回りを具体例で比較
ここでは、年間家賃収入が120万円、表面利回り7%の区分マンションを例に、実際の支出を差し引いた実質利回りを比較してみましょう。以下のような条件を仮定します。
【条件】
- 年間家賃収入:120万円
- 表面利回り:7% → 購入価格:約1,714万円(120万円 ÷ 0.07)
- 購入時の諸費用:物件価格の10% → 約171万円
- 取得総額:約1,885万円(1,714万円 + 171万円)
【年間支出】
- 空室損失:10万円
- 固定資産税・都市計画税:10万円
- 管理費・修繕積立金:24万円
- 広告料(AD):5万円
- 原状回復費:10万円
- その他支出:10万円
- 合計支出:69万円
| 区分 | 計算内容 | 利回り |
|---|---|---|
| 表面利回り | 120万円 ÷ 1,714万円 × 100 | 7.00% |
| 実質利回り | (120万円 - 69万円)÷ 1,885万円 × 100 | 2.70% |
表面利回りでは一見魅力的に見える「7%」の物件でも、実際の運用にかかるコストを差し引くと、実質利回りは「約2.7%」まで低下します。

実質利回りを見極めるための3つのチェックポイント
実質利回りは「その物件がどれだけ現実的に利益を生み出すか」を測る指標です。
見かけの表面利回りに惑わされず、投資判断を誤らないためには、物件の「運用実態」を冷静にチェックすることが不可欠です。ここでは、購入前に必ず確認したい3つのポイントを紹介します。
① 過去3年の空室率を確認する
どれだけ利回りが高く見えても、空室が頻発していれば収益は大きく下がります。
重要なのは「直近だけ」ではなく「過去3年間の空室状況」を把握すること。入退去が激しい物件や空室期間が長い物件は、見えにくいリスクを抱えている可能性があります。
可能であれば、管理会社や販売会社に「入居率推移」や「入退去履歴」を開示してもらい、継続的な入居ニーズがあるかを見極めましょう。
② 修繕履歴・計画書を確認する
築年数が経過した物件では、修繕費用が実質利回りを圧迫する大きな要因になります。「大規模修繕の予定があるのか」「直近で設備交換や改修があったのか」など、これまでの修繕履歴と**今後の修繕計画書(長期修繕計画)**を事前にチェックしましょう。
特に区分マンションの場合は、管理組合の財政状況や積立金の水準も重要です。修繕積立金不足による一時金徴収のリスクがないかも併せて確認しましょう。
③ 近隣の家賃相場と乖離がないか見る
家賃収入の見込みが現実と乖離していると、シミュレーションの前提が崩れます。
購入検討物件の想定賃料が、周辺相場と比較して極端に高くないかを必ず確認しましょう。
相場より高めに設定された賃料は、今後の更新や再契約の際に減額交渉されるリスクもあります。
不動産ポータルサイトで同条件の募集物件を検索し、適正な家賃水準を見極めることが大切です。
まとめ
ワンルーム投資で「表面利回り」ばかりを重視すると、実際の手残りは大きく下がってしまうことがあります。空室損失や管理費、修繕費などの見落としがちなコストが、実質利回りを圧迫する要因です。
投資判断の際は、表面ではなく実質利回りをもとに収支をシミュレーションすることが重要です。
今後の売却や買い増し、改善を検討する際も、実質的な収益性を考慮して戦略を立てましょう。
不安がある場合は、不動産の専門家に相談しながら、堅実な判断を積み重ねていくことを勧めます。OWNER’S WINでは「プロに相談する」から、不動産のプロフェッショナルに無料相談できる窓口があるので、不安がある場合はぜひ活用してみてください!
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