変動金利が上がるのは10月、返済額が変わるのは2027年1月|金利1.0%時代のスケジュールを整理2026.07.29
「利上げのニュースは見たけれど、自分のローンはいつ上がるんだろう」「変動金利のままで大丈夫なのだろうか」——2026年に入ってから、こうした声を聞く機会が増えています。
2026年6月、日本銀行が政策金利を1.0%に引き上げました。31年ぶりの水準です。ニュースでは大きく報じられましたが、「では自分の毎月の返済額はいつ、いくら変わるのか」という肝心な部分は、意外と整理されていません。
結論から言えば、多くの人にとって銀行の金利が上がるのは2026年10月、実際に返済額が変わるのは2027年1月以降です。この2つのタイミングがズレていることが、話をわかりにくくしています。
本記事では、政策金利1.0%到達から自分の返済額に届くまでの流れを、時系列で整理します。
目次
2026年6月、政策金利が1.0%に到達した
31年ぶりの水準
日本銀行は2026年6月15日・16日の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%から1.0%程度へ引き上げることを決定しました。利上げは2025年12月以来、4会合ぶりです。この1.0%という水準は、1995年以来31年ぶりの高さになります。
参照:日銀追加利上げで住宅ローンはいつ上がる?2026年の変動金利予想を解説|モゲチェック
日本総研はこの利上げについて、政策金利が1.0%に達したことで「金利のある世界」が本格的に到来したと評価しています。
参照:日本銀行:政策金利を1%に ~「金利のある世界」が本格的に到来~|日本総研
市場はさらなる利上げを織り込んでいる
重要なのは、これが打ち止めとは見られていない点です。
CBREが不動産融資を提供する金融機関など35社から回答を集めた「レンダーサーベイ」では、2026年度の見通しについて「0.1〜0.25%の追加利上げ」との回答が46%、「0.3〜0.5%の追加利上げ」が51%という結果でした。1回あたり0.25%の利上げを前提にすれば、ほぼすべての金融機関が2026年度内に1〜2回の追加利上げを想定していることになります。
参照:2026年7月の不動産ニュース|東急リバブル(提供/日刊不動産経済通信)
長期金利も動いています。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、2026年4月末の2.46%から、5月には一時2.8%まで上昇する場面がありました。
参照:日銀の6月利上げは長期金利安定の最低条件、金利上振れリスクに警戒|野村證券
つまり今回の1.0%は、「到達点」ではなく「通過点」として見ておく必要があります。
変動金利が上がるのは2026年10月が最有力

政策金利と銀行の金利にはタイムラグがある
政策金利が上がっても、住宅ローンの金利が即日変わるわけではありません。銀行は政策金利の動きを受けて「基準金利(店頭金利)」を改定し、そこから各借り手の適用金利に反映されるという段階を踏みます。
今回の利上げを踏まえると、住宅ローンの変動金利は2026年10月に多くの銀行が年0.25%程度引き上げる展開が最有力シナリオとされています。
参照:モゲチェック(前掲)
引き上げ幅は銀行によって差が出る
ここで注意したいのが、すべての銀行が同じ幅で上げるとは限らないという点です。
2025年12月の利上げ局面では、2026年3月から5月にかけて各銀行が基準金利の引き上げを発表しましたが、その幅は年0.25〜0.35%と銀行間でバラつきが見られました。今回の対応においても、各行の判断によって差が出る可能性があります。
参照:モゲチェック(前掲)
「0.25%上がる」と一括りにせず、自分が借りている銀行の発表を確認する必要があります。
返済額が変わるのは2027年1月以降

金利の改定と返済額の改定は別のタイミング
そして、もう一段のタイムラグがあります。
10月に基準金利が改定されても、既存の借り手の毎月の返済額にそれが反映されるのは2027年1月以降が一般的です。さらに、後述する「5年ルール」が適用される人の場合、当面の返済額は据え置かれます。
参照:モゲチェック(前掲)
時系列に整理すると、次のようになります。
| 時期 | 何が起きるか |
|---|---|
| 2026年6月 | 日銀が政策金利を1.0%へ引き上げ(実施済み) |
| 2026年10月 | 多くの銀行が基準金利を0.25%程度引き上げ(見込み) |
| 2027年1月以降 | 既存の借り手の返済額に反映(5年ルール適用者は据え置き) |
実際にいくら変わるのか
金額感をつかむために、簡易的なシミュレーションを見てみます。借入3,000万円・返済期間35年・元利均等返済の条件で、金利ごとの毎月返済額を比較します。
| 適用金利 | 毎月返済額 | 0.50%との差 |
|---|---|---|
| 0.50% | 77,876円 | — |
| 0.75% | 81,235円 | +3,360円/月 |
| 1.00% | 84,686円 | +6,810円/月 |
※編集部試算。実際の返済額は借入時期・残債・返済方式により異なります
0.5%から0.75%への上昇であれば、毎月の増加は約3,360円、年間で約4万円です。「思ったほどではない」と感じた方も多いのではないでしょうか。
ただし、35年間の総返済額で見ると、その差は約141万円になります。月単位では小さく見えても、期間全体では無視できない金額です。
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ここまでは「いつ、いくら上がるのか」という事実関係を整理しました。多くの記事は、ここで終わります。
しかし、本当に確認しておくべきなのはこの先です。
先ほど触れたとおり、5年ルールが適用される人は、当面の返済額が据え置かれます。一見すると安心材料ですが、返済額が変わらないことは、負担が消えたことを意味しません。返済額が同じまま金利だけが上がったとき、ローンの中では静かに別のことが進行しています。
そして不動産投資家にとってさらに重要なのが、投資用ローンには5年ルールが適用されないケースが多いという点です。住宅ローンの感覚のままでいると、想定より早いタイミングで返済額が動くことになります。
後編では、以下を解説します。
- 返済額が据え置かれる5年間に、ローン残高が想定からどれだけズレるのか(シミュレーション付き)
- 「未払利息で最終回に一括返済」は本当に起きるのか
- 投資用ローンと住宅ローンの決定的な違い
- 10月の金利改定前に、確認しておくべき3つのこと

参考・引用元
- モゲチェック「日銀追加利上げで住宅ローンはいつ上がる?2026年の変動金利予想を解説」 https://mogecheck.jp/articles/show/pnl6ZzOV4BDR2k5Ra7PY
- 日本総研「日本銀行:政策金利を1%に ~「金利のある世界」が本格的に到来~」 https://www.jri.co.jp/report/economistcolumn/detail/16771/
- 東急リバブル「2026年7月の不動産ニュース」(CBREレンダーサーベイ/提供:日刊不動産経済通信) https://www.livable.co.jp/solution/news/f_news/
- 野村證券「日銀の6月利上げは長期金利安定の最低条件、金利上振れリスクに警戒」 https://www.nomura.co.jp/wealthstyle/article/0739/
- 第一生命経済研究所「政策金利1.00%への引き上げ ~2026年6月の日銀金融政策決定会合~」 https://www.dlri.co.jp/report/macro/623090.html
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