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東京不動産は二極化フェーズへ?海外比較と地政学リスクから今の相場を読む2026.04.30

東京の不動産市場は、地価やマンション価格の上昇が続き、海外投資家からも注目されています。

香港やシンガポールと比べても、東京は価格・利回り・安定性のバランスが評価され、国際的な観点でも存在感のある投資先です。

一方で、今の東京不動産を「何を買っても上がる相場」と見るのは危険です。

価格上昇が続く一方で、成約件数や在庫の動きには変化も見られ、都心・高品質物件とそれ以外の物件で差が広がりつつあります。

さらに、トランプ関税や中東情勢などの地政学リスクは、東京不動産に追い風にも逆風にもなります。

本記事では、東京不動産の現状をデータで整理し、海外主要都市との比較や地政学リスクの影響を踏まえながら、今の局面をどう読むべきかを解説します。

東京不動産は上昇一辺倒から選別相場に移りつつある

東京不動産は、全体として見れば上昇基調が続いています。

国土交通省の令和8年地価公示では、全国の地価は全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しました。

三大都市圏でも上昇幅が拡大しており、東京圏と大阪圏では全用途平均・住宅地・商業地のいずれも上昇幅が拡大しています。

この結果だけを見ると、東京不動産は依然として強い市場に見えます。

実際、都心部では再開発やインバウンド需要、企業活動の集積などを背景に、住宅地・商業地ともに底堅い需要があります。

建築費や人件費の上昇も、新築価格を押し上げる要因になっています。

ただし、価格が上がっているからといって、すべての物件が同じように評価されているわけではありません。

東日本レインズの2026年3月データでは、首都圏の中古マンション成約㎡単価は前年同月比9.3%上昇し、71か月連続で上昇しました。

一方で、在庫件数は前年同月比1.8%増となり、8か月ぶりに増加しています。

つまり、東京不動産は「上がっているから安心」と単純に言える局面ではありません。

都心、駅近、再開発エリア、高品質物件などには資金が集まりやすい一方、郊外や築古、賃料を上げにくい物件、管理状態に課題がある物件は選別されやすくなっています。

今後は、東京全体が強いかどうかよりも、東京の中でどの物件が選ばれるのかが重要です。

上昇相場が続いているように見えても、その中身は「何を買っても上がる相場」から「選ばれる物件だけが強い相場」へ移りつつあります。

参照:国土交通省|令和8年地価公示

参照:東日本不動産流通機構|月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年3月度

二極化が進む背景にはコスト上昇と収益力の差がある

東京不動産の二極化は、単なる人気エリアの差だけで起きているわけではありません。

背景には、建築費や人件費の上昇、金利の変化、賃料成長の差、維持管理コストの増加などがあります。

建築費や人件費が上がると、新築マンションや新築ビルの価格は上がる傾向にあります。

新築価格が高止まりすれば、都心部の築浅中古物件や土地価格にも波及し、価格全体を下支えする要因になります。

一方で、コスト上昇は投資家にとってプラスばかりではありません。

建築費の上昇に伴い、修繕費や設備更新費も上がりやすくなります。

管理費や人件費も上昇すれば、保有中のコスト負担は重くなります。

そのため、今後は「価格が上がりそうか」だけではなく、「賃料収入でコストを吸収できるか」が重要になります。

価格だけが上がり、賃料が追いつかなければ利回りは低下します。

金利が上がる局面では、借入コストも収益性を圧迫します。

特に投資用不動産では、賃料を上げられるエリアか、空室リスクを抑えられる物件か、長期的に入居者やテナントから選ばれるかを確認する必要があります。

東京不動産の二極化は、立地の差だけでなく、コスト上昇に耐えられる収益力の差でもあります。

香港・シンガポールと比べると東京は価格と安定性のバランスが強み

東京不動産は、アジアの主要都市と比較されることが多い市場です。

ここでは、香港・シンガポールと比較しながら、東京の国際的な立ち位置を整理します。

住宅価格は香港より低く、シンガポールより高い水準にある

Savillsの世界主要都市プライム住宅指数によると、2025年末時点のプライム住宅価格は、香港が1平方フィートあたり3,730ドル、東京が2,680ドル、シンガポールが1,860ドルです。

東京は香港ほど高額ではないものの、シンガポールより高い水準にあります。

この比較からわかるのは、東京がすでに「海外主要都市と比べて圧倒的に安い市場」ではなくなっていることです。

ただし、東京には価格上昇の勢い、市場規模、賃貸需要の厚さがあります。単純な安さではなく、成長期待と流動性を備えた市場として評価されている点が特徴です。

参照:Savills|World Cities Prime Residential Index

利回りは高すぎないが安定市場として評価されている

Savillsの2025年第2四半期データでは、プライムオフィス利回りは香港1.99%、東京2.60%、シンガポール3.88%でした。

東京は香港より利回りを取りやすい一方、シンガポールほど高利回りではありません。

つまり、東京は高利回りを狙う市場というより、安定した賃料収入や市場の流動性を含めて評価される市場です。

CBREの2026年アジア太平洋投資家意向調査でも、東京はクロスボーダー不動産投資先として7年連続で首位となっています。

海外投資家にとって、価格・利回り・安定性のバランスが取れている点が東京の強みです。

参照:Savills|Savills Takes Stock: Global Capital Markets Q2 2025

参照:CBRE|2026 Asia Pacific Investor Intentions Survey

地政学リスクは東京不動産にプラスにもマイナスにも働く

トランプ関税や中東情勢の緊迫化は、東京不動産にとって一方向の材料ではありません。

安全資産として資金が流入する可能性がある一方で、企業収益や為替、建築コストには逆風になる可能性もあります。

不確実性の高まりは東京を安定した投資先として見直すきっかけになる

世界情勢が不安定になると、投資家は政治・法制度・金融市場が安定した地域に資金を移しやすくなります。

東京はアジアの中でも市場規模が大きく、住宅・オフィス・商業・物流など投資対象の幅も広い都市です。

そのため、トランプ関税や中東情勢によって世界経済の不透明感が高まれば、東京が相対的な避難先として見られる可能性があります。

特に都心部の優良物件は、賃料収入の安定性や売却時の流動性が評価されやすいでしょう。

関税・原油高・円高は東京不動産の逆風になり得る

一方で、トランプ関税によって企業収益が圧迫されると、オフィスの増床、店舗出店、物流拠点の拡張に慎重になる企業が増える可能性があります。

CBREは、米国関税による不確実性が高まる中でも、日本の投資先としての魅力が高まる可能性がある一方、企業活動や不動産戦略に影響を与える可能性にも触れています。

中東情勢が悪化すれば、原油高や資材高を通じて建築費、管理費、修繕費にも影響します。

日本銀行の金融システムレポートでも、中東情勢の今後の展開次第では、企業の原材料調達コストが高止まりする可能性や、サプライチェーンへの影響を通じて生産活動に下押し圧力がかかるリスクが指摘されています。

さらに、円高に振れれば海外投資家にとって東京不動産の割安感は薄れるため、地政学リスクはプラスとマイナスの両面で見る必要があります。

参照:CBRE|Japan Brief: Potential Impact of U.S. Tariffs on the Japanese Real Estate Market

参照:日本銀行|金融システムレポート 2026年4月号

今の局面では「東京だから買い」ではなく物件の選別力が問われる

東京不動産は、国際的に見ても魅力のある市場です。

地価上昇、海外投資家からの評価、都心部の供給制約を踏まえると、今後も一定の強さは残ると考えられます。

ただし、今後は相場全体の上昇に乗るだけでは判断しにくくなります。

海外資金は為替や金利、国際情勢によって動きが変わります。

円安や安定市場への資金流入は追い風になりますが、円高や景気減速が進めば、投資姿勢が弱まる可能性もあるでしょう。

そのため、海外投資家に人気があるかだけでなく、国内の居住需要、法人需要、再開発需要があるかを確認することが重要です。

国内実需に支えられた物件は、外部環境が変わっても価値を維持しやすくなります。

また、同じ東京でも、都心5区、湾岸、城南、郊外では需要の質が異なります。

住宅、オフィス、商業、物流など用途によっても、見るべき指標は変わります。

今後は「東京だから安心」ではなく、「東京のどのエリアで、どの用途の、どのグレードの物件か」といった見極めが重要です。

二極化が進む局面では、相場全体の強さよりも、物件ごとの競争力が投資結果を左右します。

まとめ

東京不動産は、地価上昇や海外投資家からの評価を見る限り、依然として魅力のある市場です。

香港・シンガポールと比較しても、価格、利回り、安定性のバランスがあり、国際資金から選ばれやすい立ち位置にあります。

一方で、今後は上昇一辺倒ではなく、エリアや物件ごとの差が広がる局面です。

価格が上がっていても、賃料成長が伴わない物件や、外部環境の変化に弱い物件は慎重に見る必要があります。

地政学リスクは、東京不動産にプラスにもマイナスにも働きます。

重要なのは、ニュースの印象だけで判断せず、賃料、利回り、為替、国内実需、物件の競争力を総合的に見ることです。

これからの東京不動産では、「東京だから大丈夫」ではなく、「東京の中で何を選ぶか」が問われます。

不安がある場合は、不動産の専門家に相談しながら、堅実に判断を積み重ねていくことを勧めます。OWNER’S WINでは「プロに相談する」から、不動産のプロフェッショナルに無料相談できる窓口があるので、不安がある場合はぜひ活用してみてください!


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