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賃貸退去時の5つの注意点|高額な退去費用を避ける確認ポイントを解説2026.05.20

賃貸物件を退去するときは、家賃の精算や引越し準備だけでなく、退去費用の確認も重要です。

特に、原状回復費用やハウスクリーニング費用をめぐって、想定以上の金額を請求されるケースがあります。

退去費用は、入居者がすべて負担するわけではありません。

国土交通省のガイドラインでは、原状回復は借りた当時の状態に完全に戻すことではなく、入居者の故意・過失や通常使用を超える損耗を復旧することとされています。

経年劣化や通常の生活によって生じた損耗は、原則として貸主負担です。

この記事では、賃貸退去時に確認したい5つの注意点や、入居者が払わなくてよい費用、負担になりやすい費用の具体例を解説します。

退去立会いで慌ててサインしないためにも、退去前に確認すべきポイントを押さえておきましょう。

賃貸退去時における5つの注意点

賃貸物件を退去するときは、退去費用だけでなく、解約通知の期限や立会い時の対応にも注意が必要です。

事前確認を怠ると、余分な家賃や違約金が発生したり、納得できない退去費用を請求されたりする可能性があります。

ここでは、賃貸退去時に確認したい5つの注意点を解説します。

解約通知の期限を契約書で確認する

賃貸物件を退去するときは、まず契約書で解約通知の期限を確認しましょう。

一般的には退去日の1ヶ月前までに解約を申し出る契約が多いものの、物件によっては2ヶ月前までの通知が必要な場合もあります。

解約通知が遅れると、実際には住んでいない期間の家賃を請求される可能性があります。

たとえば、4月末に退去したい場合でも、解約通知が契約上の期限を過ぎていると、5月分の家賃が発生するケースがあります。

退去を決めたら、管理会社や貸主へ連絡する前に、契約書の「解約予告」や「中途解約」の項目を確認してください。

電話だけでなく、メールや書面でも解約の意思を残しておくと、後日のトラブル防止につながります。

退去前に部屋の状態を写真・動画で記録する

退去前には、室内の状態を写真や動画で記録しておくことが大切です。

退去後に傷や汚れを指摘された場合でも、退去時点の状態を証明できる資料があれば、不要な請求を避けやすくなります。

撮影するときは、部屋全体だけでなく、壁紙、床、建具、水回り、窓まわり、設備の状態も残しておきましょう。

傷や汚れがある箇所は、近くから撮影し、あわせて部屋全体のどの場所なのかがわかる写真も撮っておくと安心です。

入居時の写真がない場合でも、退去前の状態を記録しておくことで、立会い時の確認材料になります。 スマートフォンで撮影するだけでも、請求内容を確認するときの判断材料として役立ちます。

退去立会いでその場ですぐにサインしない

退去立会いでは、管理会社や貸主から確認書類へのサインを求められることがあります。

しかし、内容を十分に確認しないままサインすると、後から退去費用に納得できなくても反論しにくくなる可能性があります。

特に、傷や汚れの原因、補修範囲、入居者負担の有無があいまいなままサインするのは避けましょう。

請求内容に不明点がある場合は、「内容を確認してから回答します」と伝えることが大切です。

その場で強くサインを求められても、必ずしも即答する必要はありません。

退去費用の明細や見積書を受け取り、契約書や国土交通省のガイドラインと照らし合わせてから判断しましょう。

退去費用の内訳や負担理由を確認する

退去費用を請求された場合は、合計金額だけで判断せず、内訳を確認しましょう。

「原状回復費用一式」などの大まかな記載だけでは、どの箇所にいくらかかっているのか判断できません。

確認すべき項目は、補修箇所、補修内容、単価、数量、入居者負担割合などです。

壁紙の張替えであれば、どの部屋のどの範囲を張り替えるのか、全面張替えが本当に必要なのかを確認する必要があります。

また、退去費用には、貸主が負担すべき経年劣化や通常損耗の費用が含まれている場合もあります。

入居者が負担すべき理由が示されていない請求については、管理会社へ根拠を確認しましょう。

敷金精算や短期解約違約金の有無を確認する

敷金を預けている場合は、退去費用が差し引かれたうえで、残額が返金されるのが一般的です。

ただし、敷金の精算内容が不明確なままだと、退去費用が妥当かどうか判断しにくくなります。

敷金精算書を受け取ったら、差し引かれている費用の項目と金額を確認しましょう。 退去費用が敷金を上回る場合は、追加請求の理由や計算根拠も確認する必要があります。

また、契約期間より早く退去する場合は、短期解約違約金が発生する可能性があります。

契約書に「1年未満の解約は賃料1ヶ月分」などの記載がある場合、退去費用とは別に請求されることがあるため注意しましょう。

「国土交通省のガイドライン」の重要ポイント

退去費用を判断するときは、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方を押さえておくことが大切です。

ガイドラインを理解しておけば、入居者が負担すべき費用と、貸主が負担すべき費用を分けて考えやすくなります。

ここでは、特に重要な3つのポイントを解説します。

原状回復は借りた当時の状態に戻すことではない

原状回復と聞くと、入居時とまったく同じ状態に戻さなければならないと考える方もいるかもしれません。

しかし、国土交通省のガイドラインでは、原状回復は借りた当時の状態に戻すことではないとされています。

入居者が通常の生活を送っていれば、壁紙や床、設備などは少しずつ劣化していきます。

このような自然な劣化まで、すべて入居者が負担する必要はありません。

原状回復で入居者が負担するのは、故意や過失、善管注意義務違反、通常の使用を超える使い方によって発生した損耗や毀損の復旧費用です。

つまり、退去費用を判断するときは、「入居者の使い方に問題があったか」が重要なポイントになります。

経年劣化や通常損耗は貸主負担が原則

経年劣化や通常損耗は、原則として貸主負担です。 通常の使用による損耗などの修繕費用は、基本的に賃料に含まれていると考えられます。

経年劣化とは、時間の経過によって自然に発生する劣化のことです。

たとえば、日当たりによる壁紙や床の色あせ、設備の古さによる機能低下などが該当します。

通常損耗とは、普通に生活していて発生する傷みや汚れのことです。

家具を設置したことによる床のへこみや、冷蔵庫の後ろの壁の電気焼けなどは、通常の生活で発生し得るものと考えられます。

ただし、契約書にハウスクリーニング特約などがある場合は、一定の費用負担が発生する可能性があります。

特約がある場合でも、金額や内容が明確で、入居者が理解して合意しているかを確認することが大切です。

故意・過失や通常使用を超える損耗は入居者負担になる

一方で、入居者の故意・過失によって生じた傷や汚れは、入居者負担になる可能性があります。 通常の生活では発生しない損耗や、注意していれば防げた破損については、原状回復費用を請求されることがあります。

たとえば、引越し作業で壁に大きな傷をつけた場合や、飲み物をこぼしたまま放置して床にシミが残った場合などです。

タバコのヤニや臭いによる壁紙の変色も、通常使用を超える損耗と判断されやすい項目です。

また、カビや水漏れなどに気づいていたにもかかわらず、長期間放置して被害が広がった場合も注意が必要です。

入居者には、借りている部屋を通常求められる注意をもって使用・管理する義務があります。

入居者が払わなくてよい退去費用の具体例

退去費用を請求されても、すべてを入居者が支払うとは限りません。 経年劣化や通常損耗にあたるものは、原則として貸主負担です。

ここでは、入居者が払わなくてよい可能性が高い退去費用の具体例を解説します。

壁紙や床の日焼け・色あせ

壁紙や床の日焼け、色あせは、基本的に経年劣化にあたります。 日当たりのよい部屋では、生活の仕方に関係なく、時間の経過とともに壁紙や床の色が変わることがあります。

このような自然な変色は、入居者の故意や過失によって発生したものではありません。

そのため、日焼けや色あせを理由に、壁紙や床の張替え費用を全額請求された場合は、内容を確認しましょう。

ただし、タバコのヤニやペットによる汚れなど、通常の日焼けとは異なる原因がある場合は、入居者負担になる可能性があります。

請求された場合は、変色の原因や補修範囲を確認することが大切です。

家具や家電を置いたことによる床のへこみ

家具や家電を置いたことによる床のへこみは、通常の生活で発生し得る損耗です。

ベッド、テーブル、冷蔵庫、洗濯機などを置けば、床に跡が残ることがあります。

普通に生活するうえで必要な家具や家電を設置した結果であれば、通常損耗として扱われる可能性があります。

そのため、家具の設置跡だけを理由に、床材の全面張替え費用を請求された場合は注意が必要です。

一方で、家具を無理に引きずって床に大きな傷をつけた場合は、通常の使用を超える損耗と判断される可能性があります。

同じ床の損耗でも、自然にできたへこみなのか、不注意による傷なのかで負担の考え方は変わります。

通常使用による設備の劣化や故障

エアコン、給湯器、換気扇、建具などの設備は、使用年数が長くなるほど劣化します。

通常どおり使用していたにもかかわらず、古くなって故障した場合は、原則として貸主側の負担になると考えられます。

たとえば、長年使われていたエアコンの効きが悪くなったり、給湯器が経年によって故障したりするケースです。

入居者が乱暴に扱ったわけではない場合、設備の交換費用まで負担する必要はない可能性があります。

ただし、不具合を放置して被害が広がった場合は別です。 水漏れや異音などに気づいたときは、早めに管理会社へ連絡し、連絡履歴を残しておきましょう。

入居者負担になりやすい退去費用の具体例

入居者負担になりやすいのは、故意・過失や通常使用を超える使い方によって発生した傷や汚れです。

普通に暮らしていて自然に生じた損耗とは異なり、注意していれば防げたものは請求対象になる可能性があります。

ここでは、入居者負担になりやすい退去費用の具体例を解説します。

故意・不注意でつけた床や壁の傷

引越し作業や家具の移動で壁や床に大きな傷をつけた場合、入居者負担になる可能性があります。

通常の生活で自然に発生する小さな傷とは異なり、不注意による損傷と判断されやすいためです。

たとえば、家具を引きずってフローリングに深い傷がついた場合や、荷物をぶつけて壁に穴が空いた場合などが該当します。

画びょう程度の小さな穴であれば通常使用の範囲とされることもありますが、釘やネジによる大きな穴は負担対象になる可能性があります。

請求された場合は、傷の範囲と補修範囲が見合っているかを確認しましょう。

一部の傷に対して部屋全体の張替え費用を請求されている場合は、必要な範囲に限られているか確認することが大切です。

通常の使用を超える汚損・破損

タバコのヤニや臭い、油汚れ、カビの放置などは、入居者負担になりやすい項目です。

通常の生活による汚れを超えていると判断される場合、壁紙の張替えやクリーニング費用を請求される可能性があります。

特に、室内で喫煙していた場合は注意が必要です。 タバコのヤニで壁紙が変色していたり、臭いが室内に残っていたりすると、通常損耗ではなく、入居者の使用方法による損耗と判断されることがあります。

また、キッチンの油汚れや浴室のカビも、日常的な掃除で防げる範囲を超えている場合は請求対象になる可能性があります。

退去前には、通常の清掃で落とせる汚れはできるだけ落としておきましょう。

鍵の紛失や設備の破損

鍵を紛失した場合は、鍵交換費用を請求される可能性があります。

防犯上の理由から、紛失した鍵だけでなく、シリンダーごとの交換が必要になるケースもあります。

また、入居者の不注意で設備を破損した場合も、修理費用を負担する可能性があります。

たとえば、ドアを強くぶつけて建具を壊した場合や、リモコンを紛失した場合などです。

一方で、通常使用による設備の劣化や寿命による故障であれば、入居者負担とは限りません。

破損や故障の原因がどこにあるのかを確認し、必要に応じて管理会社へ説明を求めましょう。

まとめ

賃貸退去時は、解約通知の期限、退去前の写真記録、退去立会い時のサイン、退去費用の内訳、敷金精算や違約金の有無を確認することが大切です。

特に、退去立会いで内容を確認しないままサインすると、後から請求内容に疑問を感じても交渉しにくくなる可能性があります。

退去費用は、入居者がすべて負担するものではありません。 経年劣化や通常損耗は貸主負担が原則であり、入居者が負担するのは、故意・過失や通常使用を超える損耗に関する費用です。

高額な退去費用を請求された場合は、まず内訳と負担理由を確認しましょう。

そのうえで、契約書や国土交通省のガイドラインと照らし合わせ、納得できない点は管理会社へ説明を求めることが重要です。

退去前から写真や動画で部屋の状態を残し、契約内容を確認しておけば、不要なトラブルを防ぎやすくなります。

賃貸退去時は、焦って判断せず、払うべき費用と払わなくてよい費用を冷静に分けて考えましょう。

不安がある場合は、不動産の専門家に相談しながら、堅実に判断を積み重ねていくことを勧めます。OWNER’S WINでは「プロに相談する」から、不動産のプロフェッショナルに無料相談できる窓口があるので、不安がある場合はぜひ活用してみてください!


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