都内で家賃を払い続けるのはもったいない?持ち家購入のメリット・デメリットを徹底比較2026.05.27
都内で賃貸に住み続けることに、なんとなく「もったいない」と感じたことはありませんか?毎月家賃を払い続けても、資産として何も残らない…
そんな不安を抱える方は少なくありません。一方で、「東京でマイホームなんて買えるの?」「維持費や手間が大変そう」「ライフスタイルが変わったらどうしよう」と感じて、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのが現実です。
賃貸か持ち家かという問いは、日本人にとって長年の住まいの命題です。特に東京・都内では、家賃の高さと不動産価格の高騰が同時進行しており、「賃貸を続けるべきか、思い切って購入すべきか」という判断はますます複雑になっています。
本記事では、都内で賃貸に住み続けることと持ち家を購入することを費用・リスク・ライフスタイルの観点から比較し、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。どちらが正解かという答えを示すのではなく、あなた自身が判断するための材料を整理することを目的としています。
目次
都内の家賃相場と「払い続けるコスト」の実態
まず前提として、都内の家賃水準がどれほど高いかを数字で確認しておきましょう。「なんとなく高い」という感覚を具体的な金額に落とし込むことで、判断の精度が上がります。

東京23区の家賃相場は過去最高水準が続いている
東京23区の単身者向け物件(ワンルーム・1K)の平均掲載賃料は2025年12月時点でおよそ12.1万円と、1年間で16.7%上昇しており、過去最高水準を更新し続けています。ファミリー向け(2LDK〜)となるとさらに高く、東京23区のファミリー向き平均掲載賃料は約24.9万円と、こちらも過去最高を更新中です。
参照:LIFULL HOME’Sマーケットレポート2025年総括版
エリア別の目安は以下の通りです。
- 港区・渋谷区・中央区:ワンルーム14〜17万円台
- 新宿区・目黒区:ワンルーム11〜14万円台
- 豊島区・北区:ワンルーム9〜11万円台
- 足立区・葛飾区:ワンルーム6〜8万円台
この家賃上昇の背景には、都心回帰の加速・建材コストの上昇による新築賃料の高騰・東京への人口集中の継続などがあり、今後も賃料水準が大きく下がる見込みは薄いとされています。
家賃を払い続けると生涯でいくらになるか
賃貸の「本当のコスト」を把握するには、単月の家賃だけでなく、長期的な総支払額を見る必要があります。
仮に月12万円の家賃を30年間払い続けた場合、家賃だけで総額4,320万円になります。これに加えて、2年ごとの更新料(1〜2ヶ月分)、引越しのたびにかかる敷金・礼金・仲介手数料(初期費用は家賃の3〜5ヶ月分が目安)も発生します。更新のたびに家賃が値上がりするケースも想定すると、生涯コストはさらに大きくなります。
一方で同じ30年間、月10〜12万円程度のローンを返済し続ければ、最終的には「資産」として物件が手元に残ります。この「消費か資産か」という視点の違いが、賃貸と持ち家の最大の分岐点です。
持ち家購入のメリット
持ち家には、賃貸にはない資産形成・税制面・生活面の複数の恩恵があります。ここでは代表的なメリットを詳しく見ていきましょう。

① 支払いが資産として残る
住宅ローンの返済は、毎月の支払いが積み重なるごとに「自分の資産(持ち分)」が増えていきます。賃貸の家賃が完全な「消費」であるのに対し、持ち家のローン返済は「資産形成」の側面を持っています。
特に都内の不動産は、過去10年以上にわたって価格が上昇傾向にあります。購入時より高い値段で売れるケースも珍しくなく、「住みながら資産が増える」状況が生まれることもあります。ローン完済後は住居費がほぼ固定資産税のみ(年間数万〜十数万円程度)となるため、老後の生活費の大幅な圧縮にもつながります。年金生活に入った後に家賃の支払いがないという安心感は、賃貸では得られない大きなメリットです。
② 住宅ローン控除(減税)が使える
2026年以降の税制改正により、住宅ローン控除の適用期限が2030年末まで5年間延長されました。制度の仕組みとしては、年末のローン残高の0.7%が所得税から控除されるもので、省エネ基準適合住宅であれば最大13年間にわたって所得税が軽減されます。
例えばローン残高が3,000万円の場合、年間の控除額は3,000万円×0.7%=21万円。13年間フルに適用されれば、最大で約273万円の節税効果が期待できます。
また2026年の制度改正により、中古住宅でも省エネ性能等の要件を満たす場合は借入限度額が最大4,500万円まで引き上げられ、控除期間も新築同様の13年間に拡充されています。これにより、新築だけでなく「良質な中古物件」を選ぶ戦略も税制面で有利になっています。
③ 自由にリフォーム・カスタマイズできる
賃貸では原則として壁に穴を開けることも、間取りを変えることも、床材を変えることもできません。ペット飼育・楽器演奏・DIYなど、暮らし方の自由度が大きく制限されます。
持ち家であれば、ライフスタイルに合わせたリフォームや設備の入れ替えが自由にできます。子どもの成長に合わせた部屋の間仕切り変更、老後を見据えたバリアフリー化、断熱リフォームによる光熱費削減など、長期居住を前提とした資産価値向上策が実行できる点は、持ち家ならではの強みです。
④ 団体信用生命保険(団信)による保障
住宅ローンを利用して持ち家を購入する際には、通常「団体信用生命保険(団信)」への加入が求められます。これは、ローン返済中に契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、残りのローン残高が全額免除される保険です。
つまり持ち家は、「万が一のとき、家族に住む場所を残せる」という生命保険的な側面も持っています。賃貸では家族が引き続き住み続けるためには家賃の支払いが継続して必要ですが、持ち家であればローンが消滅し住居費がゼロになるという大きな違いがあります。
持ち家購入のデメリット
一方で、持ち家には見落とされがちな費用やリスクも多数存在します。購入を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも正確に把握しておくことが重要です。
① 初期費用・維持費が思いのほか大きい
購入時には住宅ローンの頭金だけでなく、以下のような諸費用が物件価格とは別に発生します。
- 仲介手数料:物件価格の最大3%+6万円
- 登記費用(司法書士費用含む):数十万円
- 火災保険料・地震保険料:数十万円(複数年一括払いが一般的)
- 固定資産税の日割り精算:購入時期によって異なる
- 引越し費用・家具・家電の買い替え費用
これらを合計すると、物件価格の5〜10%程度が諸費用として別途必要になります。3,000万円の物件であれば150〜300万円が購入時に追加でかかる計算です。
また購入後の維持費も忘れてはなりません。マンションの場合は管理費(月1〜2万円)・修繕積立金(月1〜3万円)、一戸建ての場合は自己負担での修繕費(10〜20年ごとに数百万円規模)が発生します。固定資産税(年間10〜30万円程度)も毎年かかります。
② 簡単に引っ越せない
転勤・転職・家族構成の変化・離婚など、ライフスタイルの変化が多い30〜40代にとって、持ち家は「身動きが取りにくい」という最大のデメリットがあります。
賃貸であれば退去通知を出してから1〜2ヶ月で引越しできますが、持ち家の売却には一般的に3〜6ヶ月以上かかることも珍しくありません。また、売却タイミングによってはローン残高が売却価格を上回る「オーバーローン」の状態になるリスクもあります。急いで売ろうとすると安値での売却を余儀なくされるケースもあるため、「いつでも動けるフレキシビリティ」を重視する方には不向きと言えます。
③ 資産価値が下落するリスク
持ち家は「資産」とも言われますが、資産価値が必ず維持・向上するとは限りません。都心の人気エリアや駅近物件は資産価値が維持・上昇しやすい傾向がありますが、郊外・駅遠・人口減少エリアでは購入時よりも大幅に価格が下落するリスクがあります。
日本全体で見ると、人口減少と空き家問題は今後も深刻化する見通しであり、エリアを選び間違えると「売りたいときに売れない・売っても損をする」という状況になりかねません。購入する際はエリアの将来性(人口動態・再開発計画・交通利便性)をしっかり確認することが重要です。
賃貸vs持ち家、コストを数字で比べると
「どちらがトータルでお得か」を試算してみましょう。あくまでシミュレーションですが、判断の参考になります。
賃貸に30年住み続けた場合のコスト試算
- 月12万円の家賃×30年=4,320万円
- 更新料(2年ごとに12万円×15回)=180万円
- 初期費用(引越し3回分×50万円)=150万円
- 合計:約4,650万円(手元に資産は残らない)
3,500万円の物件を購入した場合のコスト試算
- 諸費用(7%)=245万円
- 住宅ローン返済総額(金利1%、35年)=約3,870万円
- 維持費(管理費・修繕積立・固定資産税)30年分=約720万円
- 合計:約4,835万円(ただし物件が資産として残る)
単純な支出比較では大きな差はありませんが、持ち家は支払い終了後に物件という資産が残り、30年後に売却すれば一定の回収が見込めます。どちらが経済的に有利かは、購入物件の資産価値の変動次第という側面が大きいと言えます。
賃貸と持ち家、どちらが向いているか
どちらが「正解」かは、ライフスタイルや将来設計によって大きく異なります。以下の観点を参考に、自分に当てはめてみてください。

持ち家購入が向いている人
- 同じエリアに長期(10年以上)住む予定がある
- 家族が増えて広い居住空間が必要になった
- 定年後・老後の住居費を減らしたい
- 資産形成を兼ねた住まいを持ちたい
- ペット・趣味・DIOなど自分好みの住まいにカスタマイズしたい
- 万が一のとき家族に住む場所を残したい(団信の活用)
賃貸が向いている人
- 転勤・転職の可能性が高い、またはキャリアが流動的
- ライフスタイルの変化に柔軟に対応したい
- 初期費用を抑えて手元資金を他の投資に回したい
- まだ居住エリアを決めかねている
- 同居・結婚・離婚など家族構成の変化が予想される
- 住まいにこだわりがなく、コンパクトに生活したい
どちらにも明確なメリット・デメリットがある以上、「賃貸か持ち家か」を二項対立で考えるのではなく、自分の今後10〜20年のライフプランを描いた上で判断することが最も重要です。
まとめ
都内で家賃を払い続けることは、長期的に見ると相当なコストになります。特に近年の賃料上昇傾向を踏まえると、「賃貸の方が気楽で安上がり」という前提は見直しが必要になってきています。一方で持ち家購入にも、初期費用・維持費・流動性の低さ・資産価値のリスクなど、無視できないデメリットがあることも事実です。
判断のポイントをまとめると以下のようになります。
- 10年以上同じ場所に住む見込みがあるなら→持ち家購入の検討価値あり
- 転勤・転職・家族変化の可能性が高いなら→賃貸を維持しながら投資用物件を持つ戦略も
- 老後の住居費を圧縮したいなら→早めの購入でローンを完済するほどメリットが大きい
- 資産形成をしながら住みたいなら→購入エリアの将来性の見極めが最重要
特に都内では2026年以降の住宅ローン控除の拡充もあり、中古物件を含めた購入検討がしやすい環境になっています。まずは「毎月の家賃と同額のローンを組んだ場合にどんな物件が買えるか」を試算してみるところから始めてみましょう。ライフプランと資金計画を整理した上で、不動産のプロに相談することをおすすめします。
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